Wednesday, August 30, 2006
布の声をきく Listen to the Fabrics
先週、福島県博物館で開かれている「布の声を聞く」と題された展覧会に行ってきました。昔、といっても戦前から戦後すぐのあたりまで、東北の農村漁村の人たちが仕事着として着ていた着物の展覧会です。明治以後、学校で裁縫がどういうふうに教えられていたか、学校に残っていたさまざまな着物の雛形も展示されていて、興味深く見てきました。
「おしん」をみれば東北の貧しい農家の人たちがどのような暮らしをしていたかは、ドラマですけれども、想像がつきます。自分たちの手で、綿から紡がれた糸が織られて布になり、衣服に仕立てられ、刺して補強され、擦れて破れればつぎをあてながら着続けられていったのが、よくわかります。実際に着られていたときには汗と垢と汚れで、色もわからないほどであったかもしれないのに、(私が育った北の海辺の小さな町も貧しかったので、想像がつくのです。)こうしてきれいに保存され展示されているとその色合いは芸術的にさえ見えます。トープキルトに似ていると思いました。
刺し子や津軽のこぎんも元々は野良着の補強に刺されたものです。どうせなら少しでも美しく、という思いを込めて刺された模様は複雑で、目を見張りますが、実際に昔こぎんを刺した女性たちは、ほとんど運針と同じ速さで縫っていったといいます。
いつまで見ていても飽きない展覧会でしたが、ほとんど道楽で布をはぎ、刺繍している私は、ちょっと罪悪感を覚えたのも本当です。
Last Friday I went to the exhibition titled "Listen to the Fabrics". Many working kimonos worn by farmers and fishermen in Tohoku before the war were shown. It was very interesting exhibition. Tohoku (north part of Japan) was a very poor area. If you have ever watched TV drama "Oshin", you can imagine how their lives were. Mireille, one of my CQ friends in Belgium, who is in her early thirty's like Jo, told me she had watched "Oshin" when she was a elementary school girl. Working people had to wear their clothes, patched and patched to be worn out, though after cleaning they look to be even artistic today. I remembered taupe quilts, which are very popular now.
I felt a bit ashamed, for my CQs must be just for pleasure, not for necessity like those old fabric arts.
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5 comments:
Hideko, if doing your CQ makes you happy, then it is a necessity!! We live in different times now. Enjoy what you do, it brings pleasure to mny people around the world.
与さんの人形たちも継ぎあてのついた着物を着ていましたっけ。子どもの頃にはひじ・ひざに当て布をした服をよく見かけましたし着ていたものです。なかにはその部分にザクザクとただミシンを当てただけのものもあったような気がします。
いまは穴の空いた部分を隠す糊のついた色々な色の布やパッチ用に可愛いワッペンが売られていますが、継ぎはぎをしていても気が付かないのかも知れません。
刺し子も生活の中から生まれた芸術なのですね。すばらしい。
ちょっと芸術度はおちるけど、晒し布に赤い糸で幾何学模様を縫いこんだ布巾を昔はよく使っていたり見かけたりしたものです。最近は布巾も雑巾ももっぱら市販のタオル物。
手芸屋さんに行くと幾何学模様だけでなく様々な柄がプリントされた晒し布と、彩り豊かな縫い糸が売られていて、わくわくします。私も出来上がったものを友人からプレゼントしてもらったことがありますが、もったいなくて使えない。
およそ実用的ではない趣味の世界ですね。もったいないがもったいないです。
Although making a virtue of out a necessity is nice - I think that not needing to patch and repatch clothes all the time is great.
That is like how poor French nobles in the middle ages had to stay in bed all day if their clothes were being washed, and they only had one set of clothes.
Once again, your blog is always interesting. :-) Thanks!
What wonderful photos. The colours of the patched clothes are amazing. Please don't feel ashamed about making cq for pleasure - your work is so beautiful, you should feel a pride in doing, and sharing it.
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