Monday, June 18, 2007

バッキンガムレース Buckingham Lace

 5月24日から28日まで、イギリスのバッキンガムという小さな町に滞在しました。ロンドンのヒースロー空港からオクスフォード経由でバスを乗り継ぎ約三時間です。
町の中心部にあるジェイル・ミュージアムの展示資料の説明によると、昔、その離婚騒動でイギリスの歴史が変わったヘンリー8世の最初の王妃キャサリンが訪問したことがあり、そのときからレース作りが盛んになったとか。刺繍のブラックワークも彼女から始まったように記憶しますが、当時の高貴な女性は皆、刺繍や手工芸に堪能で(レディのたしなみだったのでしょう)、我が身の不遇を刺繍に吐き出していたのかもしれません。後のエリザベス女王が王女の頃、父ヘンリー8世のために刺した美しい作品が残っていますし、そのエリザベスに何十年も幽閉されて最後は処刑された、湖上の麗人として名高いスコットランドのメアリ女王も、素晴らしい刺繍家として有名です。
そのジェイル(監獄)博物館に美しいバッキンガムレースが展示されていました。
I stayed from May 24 to 28 in Buckingham, a small town north of London. It took 3 hours for me to get there by bus. The main purpose of my trip to England was to attend the events of the 60th anniversary of the death of Flora Thompson, an author of "Lark Rise to Candleford". It is her autbiographical fiction of her childhood in a small hamlet called Lark Rise (Juniper Hill) near Buckingham.
I learned Buckingham used to be famous with lace making since 16th century. It was very important mean for country women to earn money until low cost machine laces became popular.










フローラ・トンプソンの「ラークライズ」には隣の家のクイーニーというお婆さんがたびたび登場します。彼女はお天気がいいと庭で一日ミツバチの巣の番をしながらボビンレースを編んでいます。レースが貧しい農村女性の僅かな現金収入だった時代がありました。クイーニーお婆さんは八才で大人と一緒にレースを編み始めたといいます。編み貯めたレースは仲買の人が定期的に買いに来たり、年に一度の近くの町のお祭りのとき、市に売りに行ってお金になりました。ボビンのおもりに使っているビーズには一つずつにいわれがあり、フローラはそんな話を聞くのが好きな子供でした。しかしフローラの子供時代、1880-90年代には手間のかかるボビンレースはすでに安い機械レースの人気に負け、クイーニーお婆さんも趣味で人にあげるために編むだけになっていたようです。
Flora is writing in her book about Queenie, a old woman living her next door. She was only eight years old when she learned and started lace making with adult women. She brought the laces to the Banbury Fair to sell and spent lots of money on that day once a year. She was one of the last lace makers in that century.

4 comments:

Ulla said...

Lace is wonderful and reminds us about history,about kings,queens,young girls,summernights and very much about those who could do advanced very bobin lace.
What an adventure both in litterature and lace.
Ulla in the north of Sweden

Susan said...

Thank you so much for sharing these pictures and the information. wouldn't you just love to have pieces of all of them? I never knew about this place.

nuinui said...

またまた、素晴らしい資料と解説、ありがとうございます。ボビンレースの細かさ、素晴らしいですよね。度の高いレンズでのぞいてみると、手編みと機械編みの違いがはっきり識別できて、そのことを最近、体験したばかりでした。息子は、ベルギーでものすごい速さでボビンを移動させるおばあちゃんの実演を見せていただいたとかで、それを聞いた私は、ボビンレースをやってみよう・・という気持ちはさらに遠のいたのでした。

Hideko Ishida said...

私も自分でするならクロシェ、オンリーです。