Thursday, April 26, 2007

春の詩 Spring 1917

昔といっても四、五年前ですが、英語の詩をクロスステッチで刺した作品があります。何かきな臭いニュースが流れていた頃、気が滅入って一気に刺した記憶があります。昨日ちょっと機会があって思い出しました。In Time of War (Puffin Books 1987) という二度の大戦時の詩を集めた本からとってあります。「1917年 春」という題です。1917年ですから、第一次世界大戦のときの詩です。作者のベアトリス・メイヤーという人については不詳です。訳す必要もないほど簡単な英語ですが、大意は、「蕾が花開き、小鳥がさえずるこの穏やかな美しい春の夕暮れ、遠くでは今、人が殺し合い死んでいっていることを誰も信じない。だから人はいつも、春も夏も秋も冬も殺し合いを止めようとしない」というような内容です。
Two days ago Jocelyn in NZ posted a message to the CQI about a TV documentary about Gallipoli, where enormous soldiers were killed in the World War I. Then I remembered this frame I cross-stitched 4 or 5 years ago and would like to share it with her. As you see this is a poem from the period of the wartime. Beatrice Mayer is unknown, but only known as an English woman.

一世紀近くたっても人間は何も変わっていないのですね。変わったのは、この詩でわかるように、第一次大戦の頃は戦争は遠くの戦線で兵士が闘うものだったのに、第二次大戦では空襲、原爆というように市民も巻き込まれるようになり、そして今は警報も鳴らずいきなり市街地で人や車が周辺一帯を吹き飛ばすようになったということ位の気がします。そんな世界の状況に日本も追いつくべきだというのでしょうか?憲法九条はどうなるのでしょう?
Almost a century has passed. And human beings don't seem to have changed. Then what has been changed? Maybe a style of war. A hundred years ago soldiers fought at the front in battle field. Next cities were bombed and people were killed in sirens screaming. But now suddenly a person and a car blow off everything without any warning. In addition there are enough nuclear weapons to kill all the people many times. Do we call it a progress? There are some people who are thinking we Japanese are behind the present world situation. Do you know the article 9 of our Constitution, which forbids us wars. Why can't we be proud of it? I am concerning if we can keep the article in future.

これはただ、クロスステッチに使った糸と色合いが似ていたので入れてみました。やはり、四、五年前のミニフレームです。初めてリボン刺繍のウエブローズを練習したときのものです。
There is no reason I have put this miniframe. For just only I made this in similar colors and at the same time. This was my first practice of SRE web rose.

4 comments:

ayako said...

昨夜このページを開いてコメントを書き始めたところで夫が帰宅し、コメントを入れられませんでした。今開いてみたら英語のコメントが加わっています。とても感動しました。
大声ではないけれど美しい刺繍に込められた「戦争反対、NO WAR 」という声なき声が聞こえてきます。
100年たっても人は何も学んでこなかったのですね。パンドラの箱の中に「希望」と一緒に「想像力」が残っていたらよかったのに。遠くの戦場で人々がどのように苦しみ悲しんでいるか、このままいったら世界が地球がどうなるのか…ちょっと想像するだけでわかりそうなものを。「つらい経験」の教訓が次の次の世代には早くも消えていってしまうことが残念です。

Susan said...

War is always terrible, but humans being what they are, I doubt it's going away. The Japanese can't be responsible for something that has been true for . . . all of recorded history, and probably unrecorded, as well. There are some things worth defending, but most of the situations that turn into war are not those things.

nuinui said...

二つの作品、どちらも素敵ですね。配色が、もう、これ以上のものはないのでは・・・と、思えるくらいです。
「戦争は、絶対になくならない。」ということを、聞いたことがあります。
昼頃、自衛隊の大中小、14機のヘリコプターが、大騒音を起こしながら列になって飛行しておりました。飛ぶ必要があって、飛んでいる・・?

Hideko Ishida said...

この頃のクレージーにはミシン用の絹ステッチ糸を使っていて(目がまだ良かったのですね)、クロスステッチも同じ糸です。

柳澤桂子さんが闘病以前、現場の研究者であった頃の記憶に、ラットを観察していると、せっせと巣づくろいをするのはメスのみで、オスは必ず縄張り争いの喧嘩を始める、男女の生物学的DNAは動かしがたい自然の摂理なのだろうか、というようなことを書いていたのを読んだことがあります。
戦争も疫病(今だとエイズとかでしょうか)の流行も、人口調節の自然摂理という説もありますし。
何だか暗くなりますね。私たちの”意志”とか”希望”をどう持ち続ければいいのかを考えると。でもあきらめたら生きている理由もなくなるし。