Friday, June 29, 2007

ラークライズ Lark Rise

バッキンガムから車で二十分、州境を越えてオックスフォード州に入ったところにフローラ・トンプソンの生まれ育った小さな村、本ではラークライズ、実際にはジャニパーヒルという、村とも呼べないほどに小さな集落があります。19世紀末のフローラの子供時代にはここに小さな家が三十軒、イン(居酒屋)が一軒あったと書かれていますが、今は家は十八軒、かつてのインは建物だけ残っていました。
It was about 20 minutes driving from Buckingham to Lark Rise (Juniper Hill), Flora Thompson's hamlet. There are only 18 houses today, though there were 30 in her childhood, the last 19th century.


遠くから見たラークライズです。昔、インの主人と石工職人だったフローラの父を除けば、村の男たちはみな貧しい小作農でした。当時は子沢山でしたから、村の人口も200人は越えていたでしょう。今は住んでいるのはほとんどが悠々自適の退職後の夫婦が多く、僅か40人足らずの人々しかいないことになります。
There must have lived over 200 people then. But today most residence are retired couple, so the population may be less 40.


周囲は見渡す限り、麦畑です。麦が実ると「村はまるで金色の海に浮かぶ小島のようになった」のだそうです。
Corn fields are sorronding the hamlet.


村の端っこに”エンドハウス”と呼ばれたフローラの家があります。庭に面した戸口は今は勝手口ですが昔はこちらが玄関で、フローラは「その家は遠くから見ると他の家に背を向けて、まるで畑に向かって駆け出していきそうに建っている」と書いています。ご覧のとおりフローラの家は二軒を合わせた形で、おそらく左の片側だけしかない大方の他の家よりは恵まれていたはずですが、それでも決して広くはありません。クイーニーの家が丁度陰になっています。
Flora's cottage was called the "end house". The entrance opening to the garden used to be a front door. She describes, "a little apart, and turning its back, on its neighbours as though about to run away in to the fields".Queenie's cottage is back of this house.




しかし周囲の空間は豊かです。本来の庭はおそらく大きな木や小屋の見える辺りまでなのですが、その向こうはアロットメントと呼ばれる借りて自由に菜園にできる共有地ですので、フローラの父親もどこまでも好きなだけ使って良かったのでしょう。
Maybe the garden ends aroud the barn. But it is expanded into allotment.


最初の遠景の裏側になる村の入り口からの景色です。遠くに小さく見える林の辺りに大きなお屋敷があり、1887年ヴィクトリア女王の戴冠五十周年記念式典が盛大に催されたときはそこがこの辺りの会場になりました。産後間もないフローラの母も乳母車に赤ちゃんを乗せ、子供たちを連れて世紀の祭典に出かけて行きました。その年を境に時代は変わった、とフローラは『ラークライズ』の最終章に書いています。
You may see a tiny woods beyond the field. There used to be a grand Park where the Queen Victoria's Jubilee was celebrated in 1887. In the last chapter of "Lark Rise", she wrote "After the Jubilee nothing ever seemed quite the same". It must have been a turning point of the period.


これは博物館に展示されていた1950年頃のフローラの家です。その頃、つまりフローラの時代から半世紀後に村を訪れたマーガレット・レーン(日本ではベアトリクス・ポターの伝記作者としてしか知られていませんが、英国ではかなり有名な著述家です)という女性が、フローラの描いた頃と殆ど変わっていないように思われる、と書いています。それからまた半世紀たったわけですが、変わったのでしょうか、変わっていないのでしょうか。
This is a photo of the "end house" in 1950, a half century after Flora's days. Margeret Lane visited the hamlet around then. To her the hamlet didn't seemed to have changed much since Flora's "lark Rise". And another half century has passed away since then.

Tuesday, June 26, 2007

6月のRRブロック RR Blocks for New RRs

最近、ブロックを作って送り出すのに忙しかった気がします。
As for CQ, I have been busier piecing and sending blocks for RRs starting this month than embellishing.


これは6月15日に始まったRRのために作ったもの。
This RR started mid June.




これは以前にちょっと書いたサンプラーRRのために作ったもの。20センチ角を2枚という指定があって、黒いブロックは使えなくなりました。
These two blocks for Sampler RR which starts July 1. Though I intended to use the black on black block for this RR before, I found the two 20cm squares were required by the guideline.



どちらも5月に届いたSWAPの布を中心に作りました。これはベルギーのエリザベスから届きました。
Most of fabrics I used for these blocks are from swap baggies I received in May. This baggie is from Elizabeth, my swap sister in this year. I always love her colour sense.


そしてこちらはCQI の4名のメンバー、ロリ、キャシー、キャロル、ジェニーからです。
These are from five ladies; Lori, Kathy, Caroll and Janie of CQI.


どちらもその中の布をたくさん使ったので、似た感じになりましたが、いかにも初夏の風情で、自分でもとても気に入っています。
Don't you feel a fresh air of early summer from these blocks? Thank you very much for ladies.

Thursday, June 21, 2007

イギリスの五月の花 May Flowers in England

今回の旅行で楽しみにしていた一つは、いつもこのブログのお客様で日本刺繍をしているキャロルさんに会うことでした。バッキンガムから車で30分のところに住んでいるので、着いたその日に宿まで来て、近くの古い茅葺のレストランに連れて行ってくれました。バッキンガムから娘のいるノッティンガムに移動するときにはご主人のジョンの車で送り届けてもらいましたし、本当に感謝感激、楽しい時間を過ごしました。
It was a big sansation I met Carol in England. She is doing a Japanese embroidery and a frequent visitor to this blog. She lives very close to Buckingham so we had arranged to see. She invited me to a very nice country pub restrant in the evening I arrived there. Even she and her husband drove me from Buckingham to Nottingham when I moved to see my daughter. Carol, thank you very much for your warm hospitality. Please send my best regards to your handsome John.

彼女がイギリスの花についてこういうことを言っていました。「三月は水仙やカウスリップの黄色、四月は桜やリンゴの花のピンク、五月はサンザシやシャスターデージー、クイーンアンズレースの白、六月はバラが咲いてカラフルに美しいけれど、私は五月の白が一番好き」と。
She told me how she loved the beautiful country view. She said March is a yellow month with Cowslips and daffodils. April is pink with cherry and apple blossoms. And her most favorite May is white with Mayflower, dasies, Queen Ann's lace and etc. June would be more colouful with roses.

外国に行って楽しいのは日本では見たことのない、名前も知らない花があふれるように咲いているのに出会うことです。
I took some photos of flowers I haven't seen here in Japan. I even don't know their names. If someone teach me, I would be very happy.
(Mock Orange Blossom)



バラはわかりますが、他の花はわかりません。
I know this is rose.


花の作りは額アジサイに似ていましたが?



Climbing Hydrangea






ノイバラでしょうか。
Sweetbrier?

ライラックのようですが?
Lilac?



Ceanothus (California Lilac)

これがキングサリ?



Laburnum

栗の木の種類だと思うのですが?



a red flowered Horse Chestnut

これもノイバラ?
Hawthorn blossom?


hawthorne






日本の五月とは景色が違います。気候も土質ももしかしたら水質も、やっぱり風土が違うのだと思います。ちなみに今、宮脇昭さんという方の「木を植えよ!」(新潮選書)という本を読んでいるのですが、”森”にはその国本来の自然に添う形があり、日本の森は元々、照葉樹林であり、人工的に針葉樹林を増やしても、”森”を作ったことにはならないのだそうです。面白いのでご一読をお勧めします。
In a foreign country something is in common with us and another is different in both culture and nature. I always enjoy them very much.

キャロルがコメントで花の名前を教えてくれました。種類についての私の予想はなかなか近かったと自画自賛しました。彼女のわからないものもあるそうです。英語で書き込んでおきます。コメントには説明もありますのでご興味がありましたら、どうぞ。
Carol taught me some names of flowers by comment, so I have added them. Please read her explanation on her comment. Thanks, Carol.

Monday, June 18, 2007

バッキンガムレース Buckingham Lace

 5月24日から28日まで、イギリスのバッキンガムという小さな町に滞在しました。ロンドンのヒースロー空港からオクスフォード経由でバスを乗り継ぎ約三時間です。
町の中心部にあるジェイル・ミュージアムの展示資料の説明によると、昔、その離婚騒動でイギリスの歴史が変わったヘンリー8世の最初の王妃キャサリンが訪問したことがあり、そのときからレース作りが盛んになったとか。刺繍のブラックワークも彼女から始まったように記憶しますが、当時の高貴な女性は皆、刺繍や手工芸に堪能で(レディのたしなみだったのでしょう)、我が身の不遇を刺繍に吐き出していたのかもしれません。後のエリザベス女王が王女の頃、父ヘンリー8世のために刺した美しい作品が残っていますし、そのエリザベスに何十年も幽閉されて最後は処刑された、湖上の麗人として名高いスコットランドのメアリ女王も、素晴らしい刺繍家として有名です。
そのジェイル(監獄)博物館に美しいバッキンガムレースが展示されていました。
I stayed from May 24 to 28 in Buckingham, a small town north of London. It took 3 hours for me to get there by bus. The main purpose of my trip to England was to attend the events of the 60th anniversary of the death of Flora Thompson, an author of "Lark Rise to Candleford". It is her autbiographical fiction of her childhood in a small hamlet called Lark Rise (Juniper Hill) near Buckingham.
I learned Buckingham used to be famous with lace making since 16th century. It was very important mean for country women to earn money until low cost machine laces became popular.










フローラ・トンプソンの「ラークライズ」には隣の家のクイーニーというお婆さんがたびたび登場します。彼女はお天気がいいと庭で一日ミツバチの巣の番をしながらボビンレースを編んでいます。レースが貧しい農村女性の僅かな現金収入だった時代がありました。クイーニーお婆さんは八才で大人と一緒にレースを編み始めたといいます。編み貯めたレースは仲買の人が定期的に買いに来たり、年に一度の近くの町のお祭りのとき、市に売りに行ってお金になりました。ボビンのおもりに使っているビーズには一つずつにいわれがあり、フローラはそんな話を聞くのが好きな子供でした。しかしフローラの子供時代、1880-90年代には手間のかかるボビンレースはすでに安い機械レースの人気に負け、クイーニーお婆さんも趣味で人にあげるために編むだけになっていたようです。
Flora is writing in her book about Queenie, a old woman living her next door. She was only eight years old when she learned and started lace making with adult women. She brought the laces to the Banbury Fair to sell and spent lots of money on that day once a year. She was one of the last lace makers in that century.

Friday, June 15, 2007

マスコット人形 Spirit of Friendship Doll Swap

帰ってきた翌日から息子が39度の熱を出し、すわ、ハシカか、と思ったらそれは違ったようでした。旅行の後始末、山のような洗濯物の片付け、掃除と、バタバタ忙しくしている内に一週間があっという間に過ぎました。クレージーの方でも、CQI の遅れていたニュースレター作り、新しく始まるRRのブロックの用意、自宅での教室の再開、と用事は切れ目なく続きます。
そんな中、旅行中の私より一足早く家に着いてお帰りなさいと出迎えてくれ、壁で見守ってくれているマスコット人形たちです。
When I got back home last week, the dolls from "Spirit of Friendship Dolls Swap" of CQI had been already waiting for me and welcomed my back home.


アメリカのジュディの太陽をかたどったお人形。
Judy's Happy Sunshine Friendship Doll.














左がアメリカのジャッキーYから、右はニュージーランドのジョーからです。
The left one is from Jackie Y in US. Her beading work is stunning. And the right blue one stitched beautifully is from Jo in NZ.
Judy, Jackie Y and Jo, thank you very much for your lovely dolls. They are comforting me after a long journey. I also appreciate Leslie for hard working as a hostess of this swap. I love all of choices of yours.


CQI のブログにゆくとメンバーがそれぞれに工夫を凝らして作ったたくさんの人形が見られます。みな作り手の思いがこもっていて個性豊かな魅力があり、”お守り”になりそうです。グループでは次に、ジャッキーがクリスマスに向けての交換、パットがシェルターの女性たちの慰めに作って送るボランティアを募っています。
In CQI, another Spirit of Friendship Doll Swap for Christmas is hosted by Jackie Y. And "Comfort Dolls for Abused Women" has been announced by Pat Winter.

Friday, June 08, 2007

バッグコンテスト The Purse Contest of CQI

旅行中に、CQI のバッグコンテストが終わりました。1月に参加申し込み、5月中旬に作品の写真を送り、下旬にそれによる会員の投票が行われて、一位 Emiko さん(おめでとう!!!)、二位 Lynn, 三位 Debbie、という結果でした。私も出品していましたので、ご紹介します。日本で一番人気のトープキルトをクレージーでやってみたいと思ったのが、色選びの理由です。でもあまりトープにはなっていないかもしれません。しかもブロックのときは我ながらとてもきれいだと思っていたのですが、仕立てたら期待ほどではなく、ちょっとがっかりでした。
他のコンテスト出品作品はこのブログでどうぞ。
While I was away, the Purse Contest of CQI was resulted. The first winner was Emiko, the second Lynn Schoeffler and the third Debbie R. Congratulations to all!! Here's my purse and close-ups. I challenged to make a "taupe crazy quilt". "Taupe colour" quilt is the most popular patchwork in Japan.
You can see other purses on this blog.